抗ガン作用・抗肥満作用・抗不安作用:緑茶の効用

緑茶を飲んだグループでは、インフルエンザの罹患率が 4%程度で、飲まないグループでは、13%くらいが罹患していますので、「罹患率が 3分の 1くらい」になっていまして、ここまで顕著な差ですと、緑茶の抗ウイルス性作用は、かなり明らかな感じがします手洗い、うがい、予防接種の奨励より、「お茶を毎日飲みましょう」という予防法のほうがインフルエンザ予防には効果があるのでは?
 

おおむね、緑茶には以下のような作用あることがが医学研究で認められているようです。

・抗ガン作用
・脳機能と認知能力の低下を抑制する(認知症の進行の抑制)
・コレステロールの低下
・抗酸化ストレス作用
・抗肥満作用

などです。

緑茶の効用

greenmedinfo.com

◎緑茶の天然ポリフェノールに「抗ガン作用」が認められる
・論文「癌疾患における酸化ストレスのモジュレーターとしてのポリフェノール:新しい治療戦略」 (Oxid Med Cell Longev 2015年)

◎緑茶は細胞死を抑制する
・論文「抗酸化メカニズムによるキナーゼ経路の活性化の阻害によるベータアミロイド誘発PC12細胞死に対する緑茶抽出物の阻害効果」 (Brain Res Mol Brain Resr 2005年)

◎緑茶は、炎症誘発性サイトカインの生成を低減する
・論文「緑茶ポリフェノールは、肥満および痩せたラットのリンパ球からの炎症性サイトカイン放出のプロファイルを変化させ、酸化的損傷から保護する」 (Int Immunopharmacol 2015年)

◎緑茶の抽出物は、筋ジストロフィーの動物モデルにおける壊死を軽減または遅延させ
・論文「緑茶抽出物は、筋ジストロフィーマウスの筋壊死を減少させ、活性酸素種から保護する」 (Am J Clin Nutr 2002年)

◎緑茶からの抽出物は、大幅な体重減少と、さまざまな生化学的パラメーターの数値を改善する
・論文「肥満の治療のための低カロリー食の補助としてのグリーンセレクト・ファイトソーム(※緑茶からの抽出物):臨床試験」 (Altern Med Rev 2009年)

◎緑茶のエピガロカテキンガレートが男性の脂肪酸化を高め、抗肥満効果を持つ可能性
・論文「エピガロカテキンガレートが肥満男性の熱産生と脂肪酸化に及ぼす影響」 (J Biol Chem 2007年)

◎緑茶に含まれるカテキンに、記憶退行を遅らせる作用がある
・論文「緑茶カテキンの毎日の消費は、高齢マウスの記憶退行を遅らせる」 (Biogerontology 2007年)

◎緑茶カテキンの毎日の摂取が、老齢マウスの脳機能障害を抑制した
・論文「緑茶カテキンの毎日の摂取は、老齢マウスの脳機能障害を抑制した」 (Biofactors 2008年)

緑茶とリンゴの抽出物を組み合わせた飲料がアルツハイマー病患者の酸化ストレスを低下させる
・論文「アルツハイマー病患者の酸化ストレスのバイオマーカーに対する抗酸化飲料の影響」 (Eur J Nutr 2016年)

◎緑茶は腎臓の損傷を改善する
・論文「緑茶は、ゲンタマイシン(※抗生物質の一種)によってラットに誘発された腎臓の酸化的損傷を改善する」 (Aging Clin Exp Res 2010年)

◎緑茶が「お肌の若返り」に強力に作用
・「緑茶と赤い光 - 肌の若返りに強力なデュオ」 (Photomed Laser Surg 2009)

また、緑茶を粉末にしたものが抹茶ですが、

「抹茶は、不安とストレスを軽減する」

という論文が、かなりあることも知りました。

 

以下はそのうちの 2つの論文です。

◎抹茶は、ドーパミンとセロトニンを通して不安を減少させる
・論文「マウスにおける抹茶の粉末と抽出物による抗不安作用:ドーパミンD1受容体およびセロトニン5-HT 1A受容体を介したメカニズムの寄与」 (Journal of Functional Foods 2019年)

◎抹茶に含まれる「テアニン」は脳の海馬に作用し、不安を軽減する
・論文「ヒトの予測不安に対するテアニンの急性効果」 (PJ 2004年)

なんかこう、抹茶を用いる「茶道」というものが、戦乱の荒れた時代であった戦国時代に最も栄えたというのも、抹茶に「強い抗不安作用」があったことも関係しているのかもしれないですね。抹茶を飲むことで不安が解消されることを経験的に知り、それで茶の湯が栄えたという面もありそうです。

あと、抹茶には、「コルチゾール」というホルモンを低下させる用もあるようなのですが、このコルチゾールというのは、感染症と関係しているようです。

以下は、免疫学の第一人者である宮坂昌之教授が、インタビューの中で述べていた「新型コロナウイルスにかからないために」という記事からの抜粋です。

「最後にストレスを避けることです。ストレスにより副腎からコルチゾールというホルモンが作られ、これにより免疫細胞の機能が低下します。ストレスのある時に風邪を引いたり、ヘルペスになるのは、このためです」 news.yahoo.co.jp

ここに「最後に」とありますが、他に宮坂教授が述べていた、免疫反応を強くして、新型コロナウイルスにかからないための方法は、以下のようなことでした。

・体内時計を正す
・積極的に体を動かす(白血球内のリンパ球が増加する)
・バランスの良い食事
・ストレスを避ける

などでした。