秘伝の妙薬【マコモ菌】の原料の★霊草【真菰】

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■【1】【真菰とは?】
⑴真菰(Zizania latifolia ジザニア・ラフォテリア)は、【イネ科マコモ属】で、夏季には草丈1.5m~2mになる大型の多年草で、大きな稲のような姿をしています。
・イネ科になっていますけど、イネの原種は真菰です。
・水中の泥土に根を張り、春にタケノコ状の芽を出し、夏には草丈が2m以上になるほど、強い生命力がある植物です。
・地方によっては、カツミ、ハナカツミ、ガッコ、コモクサなどとも呼ばれています。
・水辺に群生し、沼や河川、湖などに自生します。
・同じような所に群生する葦(アシ、ヨシ)やガマと同じイネ科の抽水植物です。
・真菰は亜熱帯に自生し、東アジアや東南アジアに分布しており、日本では全国に見られ、稲の伝来以前から湿地に自生していてます。
⑵また、種子(ワイルドライス)、肥大化した茎(マコモタケ)が食用とされます。
⑶真菰は、今から六千万年~一億年間も現在と同じ姿で、これほど長い間、姿かたちが変わらない植物は他にありません。それは真菰の化石が発見されてわかったそうです。
このように真菰は1億年も前から同じ姿を保ち、日本各地に自生していますので、日本人にとって、真菰はとても身近な植物なのです。

■【2】【真菰の歴史】
真菰の歴史は古く、縄文時代中期の遺跡からも発掘されています。
縄文時代、「真菰」は日本人の暮らし(衣食住)、すべてに渡って欠かせない存在でした。
稲が渡来する以前から日本列島に広く自生している植物で、我々の祖先が活用し、残した文化が今も伝えられています。
「真菰」の実や新芽などは食料となり、縄文時代には主食として食べられていた穀物なのです。
干した真菰は、ゴザや枕にもなり、蓑笠など様々な生活用品として利用されていました。
萱ぶき屋根には、実際は萱だけでなく、葦や真菰も使われていますし、ワラ即ち、稲が我が国に入る前は、このように真菰を乾燥したものがいろいろな場面で使われ、生きていく上で必要不可欠な存在となっていたのです。
平安時代初期の最古の薬物書にも真菰は登場し、食物として漢方として、民芸品へ装飾品として、心身と整えるために、真菰は使われてきました。
また、植物の中で一番最初に現れた植物と云われ、約1億年前から現在と同じ姿のままで生育していることから、【生命力が強く、古代の霊草】といわれる所以でもあります。 

□❷【医】…植物の【真菰】の薬理的作用…昔の日本人は、真菰が持つ力を暮らしの中に取り入れて、健康のために役立てていました。
○⑴中国漢方の古書「本草綱目」には、『真菰が五臓を利し、大小の便を利す…毒を消す』とあります。
ほとんどの生薬は特定の一臓を潤(うるお)しますが、真菰のように『五臓(肺・心臓・肝臓・脾臓・腎臓)まとめて利ス』ものは非常に稀です。
・「葉」の生汁を怪我や傷に塗ると、驚くほど早く治ります。…古事記の大国主命の因幡の白兎の話…白兎はなんとマコモをくるんで治したそうです!
・「根」は優れた利尿剤で、昔から、むくみがひどい人、腎臓が弱い人に使われてきました。
○⑵1891年に書かれた日本の薬学書『和漢薬書』の中には、
『「実」は解毒、整腸、

「葉」は歯を養い、喉の渇きを止める。
「根」は無毒で、止小便利、解毒の作用を持ち、喉の渇き、胃腸病、胸やけ、やけどの傷、 毒蛇にかまれた時、二日酔いなどの卓効あり。婦人病に効く』と記されています。
○⑶「葉」には体内の毒素や老廃物を体外に排出する作用があり、血液の浄化や自然治癒力を高めるなどの働きが期待されています。
また、動物実験ではコレステロールの減少、血糖値の降下、悪性腫瘍の増殖抑制などの作用があるとわかっています。
・消化器官の運動を促進する
・腸内善玉菌を増やして慢性疾患を予防する
・血圧や血糖値の上昇を抑制する
・免疫力や抵抗力を高める
⑷お釈迦様が妙薬(=マコモ菌)を病人に食わせ、真菰を編んだ筵(むしろ)に寝かせると、大抵の病人が蘇生したそうです。
⑸「お歯黒」…江戸時代までの既婚女性は、虫歯予防やカルシウム不足の予防として「マコモズミ」を用いていました。

 

□➍【食】
○⑴[食用]…㈠実(菰米・ 種実)、㈡マコモタケ(肥大茎)芽(菰菜)
㈠[真菰の実]は、日本に米が伝来するまで、貴重な穀物とされていました。米の原種なので、米よりもはるかに古い穀物で、古代では「六穀」だったと云われています。
アジア以外では北米大陸の五大湖地方を中心に真菰(日本の真菰と違い、単年性)が分布しています。
日本人と同じ祖先(モンゴロイド)を持つと考えられる北米インディアンが、豊富なタンパク質をはじめ、ビタミンやミネラル、食物繊維を含むことから、「ワイルドライス」と呼んで、今も真菰の実を食べる習慣があります。
代表的な料理で野鳥のお腹に詰めたものがあります。
㈡[マコモタケ]は、「真菰」の茎に[黒穂(こくぼ)菌]という菌が寄生すると、マコモの実はならず、茎の部分が肥大化したもの…そこが食用となる。
元々日本では気候・気温の関係か、黒穂菌が寄生した真菰は、あまり見られないが、広く東アジアの冷・温帯に分布し、中国では「菰」と呼ばれ、台湾では現在も栽培され、白く柔らかい肉質(内部には白い髄組織が詰まっていて、非常に軟らかく、シャキシャキとした独特の食感)がある。
中華料理の高級食材として扱われ、[油炒め]、スープ、塩味炒め、蒸し物など幅広く使われ、若芽料理などは強精強壮食として日常的に食べられている。
日本では[薬膳料理]にも使われることもあり、味噌和えや天ぷら、フライ、炊込みご飯、サラダ、煮込み、春巻き、味噌汁の具などにするとおいしくいただける。
○⑵[飲料用]…真菰(葉)
食物繊維が豊富で、ビタミンB1・B2、カルシウム・鉄などのミネラル、葉緑素(クロロフィル)などが含まれている。
これらの成分が消化を促進し、腸内の善玉菌を増やして、慢性疾患を予防、血圧や血糖値の低下、免疫力の強化などに有効といわれている。

 

□❼【環境】
第二次大戦後、日本の経済発展に伴う開発により、真菰の群生に適した湖沼や河川が、道路工事や住宅建設のために埋め立てられたり、河川や田んぼなどの水路がコンクリートの護岸工事により、残念ながら「真菰」をはじめとする水草、葦(あし)、ガマなどの生育環境が奪われ、どんどん駆逐されていきました。
つまり、一時的に「真菰」は雑草として、人々に忘れられかけた存在、見捨てられたような状態になったのです。
その後、90年代後半から真菰などの植物が湖沼などの水質浄化に役立つことが分かり、種々、環境対策として実験的に植栽されるようになっています。
○⑴[水質浄化]…真菰は水質浄化の働きがあり、水辺に植えるだけで、「真菰」が汚れた有機物(農薬・化学物質や重金属)などを分解、吸収し、水がきれいになります。
日本政府の公害対策会議では、茨城県の[霞ヶ浦]や[琵琶湖]を始め、ラムサール条約に指定されている[伊豆沼・内沼(宮城県)]など全国の5つの湖や沼で真菰を使った水質浄化事業が行われていて、プランクトンを食べる魚の養殖やマコモ・ヨシなどの水生植物の群落を人工的につくる水質保全計画を実践しています。